こんにちは!NEOFLAG.です。
突然ですが、企業の人事部や総務部の方、管理職の皆さんは、「健康経営」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。
近年では、健康経営に力を入れる企業がさらに増えています。
本記事では、健康経営に取り組む企業事例を交えながら、「健康経営のすべて」を解説します。
健康経営とは
健康経営とは、「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」であると、経済産業省で定義づけられています。
引用元:経済産業省「健康経営」
これまで、従業員の個別の健康状態については自己管理の範疇とし、労働安全衛生法に基づく最低限の健康診断や環境整備のみを実施している企業が多くありました。
しかし近年では、従業員の健康の保持・増進は、企業が持続的に発展していくために不可欠な要素であり、全社に影響する経営課題として取り組む企業が増えています。
具体的には、従業員が快適で安全に過ごせるような職場環境の見直し、個人の心身状態に合わせた健康促進の支援など、「全体」と「個別」の視点で、従業員の健康に関する取り組みが実施されています。
健康経営が注目される理由
近年になって健康経営が注目されている理由は、主に3つあります。
- 労働人口の減少
- 働き方改革の推進
- 人々の価値観の変化
労働人口の減少
1つ目は、労働人口の減少です。少子高齢化の著しい日本の企業は、今後少ない従業員数でも業務効率を上げ、事業を発展させていく必要があります。
一人ひとりがパフォーマンスを最大化させるためには、心身ともに健康で、活力のある状態を保つことが大切です。
従業員の健康の保持・増進は、欠勤や休職による損失(アブセンティーズム)や、出勤しているものの体調不良などで効率が下がることによる損失(プレゼンティーズム)予防につながり、パフォーマンスの最大化に寄与します。
働き方改革の推進
2つ目の理由は、働き方改革の推進です。長時間労働による過労死やメンタルヘルス不調などが社会問題となり、従業員の働き方に関する法令の改正が相次いでいます。
働き方と健康に関する問題の深刻化を受け、企業には従業員の安全や衛生に関する配慮がより一層求められるようになっています。
人々の価値観の変化
3つ目が、人々の価値観の変化です。欧米諸国を中心に、環境・社会・企業統治へ配慮している企業へ積極的に投資をする「ESG投資」が拡大しています。
従業員の健康は、「社会」に該当する課題であり、機関投資家から選ばれる企業となるためには、健康経営が必須の取り組みといえます。
また、新型コロナウイルス感染症などの影響により、労働者自身の働き方と健康に対する価値観も変わりつつあります。従業員の健康に配慮できない会社は、求職者から就職先企業として選択されず、人材不足に直面する危険性もあるでしょう。
これらの社会的な環境の変化により、企業の健康経営に対する関心や重要度はますます高まっているのです。
健康経営優良法人認定制度が2017年からスタート
健康経営に対する注目が集まる中、経済産業省は2017年に「健康経営優良法人認定制度」をスタートさせました。この制度は、従業員の健康保持・増進に関する取り組みを積極的に実施している法人を認定し、表彰する制度です。
認定は、「大規模法人部門(ホワイト500)」と「中小法人部門(ブライト500)」の2部門があります。
健康経営優良法人の認定項目
健康経営優良法人の認定は、以下5つの項目から評価されます。
- 経営理念
- 組織体制
- 制度・施策実行
- 評価・改善
- 法令順守・リスクマネジメント
従業員の健康保持・増進に対する明確な企業方針が示され、適切な実施体制の下で制度が実行・評価していくサイクルが確立していることが大切です。
健康経営優良法人の認定は、従業員の健康に配慮した施策実施を促進するとともに、企業のブランド価値を向上させる効果もあります。
出典:経済産業省「出典:経済産業省「健康経営優良法人認定制度」
健康経営のメリット
健康経営を推進して従業員が元気で生き生きと働く環境を整えることで、企業にとって以下のようなメリットがあります。
- 組織力の向上(生産性アップ、従業員エンゲージメントの向上)
- 企業・ブランドのイメージ向上
- 離職率の低下
- 医療費の削減
- 社員のストレス軽減
それぞれ詳しく解説します。
メリット1:組織力の向上(生産性アップ、従業員エンゲージメントの向上)
健康経営の推進は、企業の組織力向上に有効です。
病気やメンタルヘルス不調による欠勤・休職等などによる損失(アブセンティーズム)が減り、人員補填などのコストが削減できます。また、出勤しているものの体調不良などにより生産性が低い状態(プレゼンティーズム)を予防することで、従業員のパフォーマンスが高まり、労働生産性の向上にもつながります。
さらに従業員が生き生きとやりがいをもって業務に取り組むことができるため、従業員エンゲージメントの向上も期待できます。
(従業員エンゲージメントとは…従業員が自社の経営方針やビジョンを理解し、企業を信頼するとともに、自ら貢献したいという自発的な意欲をもつこと)
高い意欲をもって業務に取り組むことで、成果物の量や質が高まり、業績の向上につながるでしょう。従業員の健康保持・促進は、社員のモチベーション向上だけでなく企業のパフォーマンスそのものに直結する重要な経営課題だといえます。
メリット2:企業・ブランドのイメージ向上
健康経営は、組織力や業績が高まるだけでなく、企業のブランドイメージの向上にも良い影響を与えます。
人材を企業の「資本」と考え、投資対象として戦略的な価値向上を目指す「人的資本経営」の考え方が、欧米を中心に注目され、日本でも話題になっています。資金を投入する機関投資家は、投資先企業の選択基準として人的資本を重要視しているため、従業員の健康の保持・促進に関する取り組みが高く評価されるでしょう。
また、ワークライフバランスを重視する昨今の労働者の価値観を考えても、従業員の健康促進に積極的に取り組む企業は好意的に捉えられ、優秀な人材の確保にもつながります。
健康経営に取り組み、社外に対して積極的に活動をアピールすることで、企業のブランド価値を向上させられるでしょう。
メリット3:離職率の低下
従業員の健康状態が改善・向上すれば、疾患や労働災害などによる離職を減らすことができます。
例えば、工事現場での騒音を減らす工夫によって難聴を防いだり、重量物を扱う職場での積極的な機械投資によって腰痛を予防したりと、企業の努力次第で従業員の健康に大きく寄与することができます。
また、従業員の健康に配慮する企業として愛社精神が高まることからも、離職率低減の効果が期待できます。離職者が減れば、補填のための人材採用が不要になり、大幅なコスト削減にもつながるでしょう。
メリット4:医療費の削減
健康経営の取り組みは、医療費の削減につながります。
近年では、身体の疾患や怪我だけでなく、メンタルヘルスの不調による病院受診も増えています。健康経営の取り組みによって従業員の心身の健康保持・増進が促進されれば、医療機関を受診する頻度が減り、医療費削減につながります。
規模の大きな企業では、健康保険組合を運営している場合がありますが、全国の健康保険組合のうち約半数が赤字との調査結果が出ています。従業員の医療費を削減できれば、健康保険組合の経営の健全化に寄与するでしょう。
また、労働災害による医療費等は、原則企業が保障します。職場環境を改善して労働災害を減らせば、企業の負担を軽減することができるのです。健康経営は、医療費や労働災害の保障費用など、多くのコストを削減する効果があります。
メリット5:社員のストレス軽減
近年増加している社会人のメンタルヘルス不調の原因として、長時間労働や人間関係などによるストレスが考えられます。健康経営によって働きやすい職場環境を構築することで、従業員のストレスを減らし、心身の健康保持・増進につながるでしょう。
健康管理は自己管理の範疇と思われがちですが、職場環境が個人の健康に及ぼす影響は大きく、個人単位ですべて改善できるものではありません。職場における人間関係も同様で、従業員個人の努力だけでは改善しにくいものも多いでしょう。
ハラスメントやリーダーシップ・フォローワーシップ・チームワークなどの研修、1on1面談やメンター制度などのサポート制度など、企業が従業員の円滑な人間関係を支援することが重要です。積極的な健康経営の取り組みは、従業員がストレスなく生き生きと働く職場環境につながります。
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健康経営のデメリット
健康経営は、企業にとっても従業員にとってもメリットの多い取り組みです。一方で、注意すべきデメリットもあります。
- 健康経営制度の導入準備・実践が面倒
- 具体的な効果測定が難しい
- 施策の内容によっては従業員の不満を招く可能性がある
それぞれ確認しましょう。
デメリット1:健康経営制度の導入準備・実践が面倒
企業が健康経営に取り組むには、時間も手間もかかります。はじめて健康経営を実践する企業にはノウハウが蓄積されておらず、どのように進めていくかわからないために、面倒に感じることもあるでしょう。
健康経営にかかる時間や費用は「コスト」ではなく、企業の持続的な成長に不可欠な「投資」であると認識し、一定の時間や費用をかける覚悟が必要です。継続して取り組むことで、かけた費用以上の効果が表れるでしょう。
また、健康経営の進め方に迷ったときは、独立行政法人 労働者健康安全機構の産業保健総合支援センターなどを活用し、専門家のアドバイスを受けることが大切です。
出典:独立行政法人 労働者健康安全機構「産業保健総合支援センター(さんぽセンター)」
デメリット2:具体的な効果測定が難しい
従業員の健康状態や、健康と業績の相関性などは、定量的な測定が難しい一面があります。しかし、近年では健康経営の効果測定方法として、各企業で様々な定量分析がなされています。一例をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
健康に関する定量分析
- 毎年の健康診断における有所見率の増減
- 適性体重維持者の割合の増減
- 喫煙率の増減
健康と業績の相関に関する定量分析
- 健康問題に起因する欠勤や休職数の増減
- プレゼンティーズムの増減(WHO-HPQ、東大1項目版などを活用して測定)
- 従業員エンゲージメントの増減(アンケート調査など)
経営戦略として活動を継続させていくためには、取り組みに対する効果測定が大切です。
自社に合った定量分析ができるよう、工夫しましょう。
デメリット3:施策の内容によっては従業員の不満を招く可能性がある
健康経営は、個人の健康問題に関わる取り組みであるため、内容や実施方法によっては従業員の不満につながる危険性があります。疾患に関する個人情報がぞんざいに扱われたり、体重や体形に関する表現に配慮がなかったりすると、取り組みへの不信感が高まるでしょう。
個人のプライバシーや価値観に配慮し、従業員が積極的に参加したくなるような工夫が大切です。
健康経営施策を実施した方がいい企業の特徴
健康経営はすべての企業に求められる取り組みですが、特に以下の企業は積極的に実施した方がよいでしょう。
- 離職率が高い
- 従業員の残業・休日出勤が慢性化している(労働時間の長時間化)
- さまざまなライフステージの従業員が混在している
- 休職者の割合が多い
- 人材確保に苦戦している
離職率が高い
従業員の離職率が高い企業は、積極的に健康経営に取り組みましょう。
離職の原因はさまざま考えられますが、業務による身体への負荷や人間関係のストレスなどが要因となっている可能性があります。現場の実情を把握したうえで、従業員の健康保持・増進に関する取り組みを実施することが大切です。
従業員が健康で生き生きと働く環境が整えば、長く勤務したいと希望する人が増えるでしょう。
従業員の残業・休日出勤が慢性化している(労働時間の長時間化)
残業や休日出勤が頻繁に発生し、長時間労働が常態化している企業は、ぜひ健康経営に取り組んでください。
長時間労働は、脳血管疾患や心疾患、うつ病などの精神的な病気を発症する原因になりかねません。従業員の健康を守り、効率的な業務遂行を実現するために、健康経営に取り組みましょう。
さまざまなライフステージの従業員が混在している
さまざまなライフステージの従業員を雇用している企業にとっても、健康経営は重要です。
健康に関する課題は、年齢やライフステージによって異なる場合があります。例えば、妊娠中の女性に対する配慮や、高年齢の従業員に対する危険予防など、従業員の属性によって必要な対策は異なります。
さまざまな従業員を雇用する企業ほど、画一的な健康対策だけでなく、個別の事情に合わせた取り組みが必要になるでしょう。
休職者の割合が多い
休職者の割合が多い(オフィス出社率が低い)企業も、注意が必要です。特に近年では、メンタルヘルス不調による休職者が増えています。業務において心理的な負荷がかかる要因を洗い出し、必要な対策に取り組みましょう。
また、心身の不調による休職の予防策と合わせて、休職後のスムーズな職場復帰を支援する取り組みも効果的です。
人材確保に苦戦している
健康経営の取り組みは、企業の採用活動を強力に後押しする要因になります。
多くの企業が、ジョブズゴーのような求人サイトを採用活動に用いています。しかし、自社にマッチする人材の確保はなかなか難しいもの。そこで従業員の健康保持・増進に積極的に取り組む企業としてアピールすることで、ワークライフバランスや自身の健康管理に関心の高い求職者にとって強い魅力となるでしょう。
経済産業省が推進する健康経営優良法人に認定されたり、健康企業宣言で「金の認定」「銀の認定」を受けたりすれば、より求職者に対するイメージアップにつながるでしょう。
出典:経済産業省「出典:経済産業省「健康経営優良法人認定制度」
:健康保険組合連合会東京連合会「健康企業宣言「銀の認定」・「金の認定」を目指しましょう」
健康経営事例1:味の素株式会社
ここからは、実際に健康経営を推進している企業の事例をご紹介します。
2022年3月、健康長寿産業連合会は「2022 健康経営 先進企業事例集」を発表。大手企業各社が実際に行なっている代表的な取り組みの内容を詳細にまとめました。
出典:健康長寿産業連合会「2022 健康経営 先進企業事例集」
まずは、食品メーカー大手の「味の素株式会社」です。
社名 | 味の素 株式会社 |
業種 | 食料品 |
従業員数 | 3,184名(2021年3月) |
健康経営施策の内容 | ・セルフケアを支援するための、健康診断後の全員個別面談の実施 ・日々の「食事」「運動」「睡眠」「気分」の4軸を可視化して管理する健康アドバイスアプリの導入 ・社員食堂での美味しく健康的なランチを提供する「MyHealthランチ」 |
健康管理に関するデータを可視化するためのシステム投資や、従業員の健康意識を向上させるための面談実施などを積極的に実施しています。
健康経営事例2:オムロンヘルスケア 株式会社
続いて、体温計や血圧測定器などで有名な「オムロンヘルスケア株式会社」です。
社名 | オムロンヘルスケア株式会社 |
業種 | 電気機器 |
従業員数 | グループ2,822名、国内696名(2020年度末) |
健康経営施策の内容 | ・血圧測定推進週間を設け、かくれ高血圧リスク者を発見 ・血圧、歩数、体重データを日々スマホアプリで計測し、結果を用いた個別化特別保健指導の実施 ・卒煙サポートプログラムの実施 |
健康状態を測定する自社製品を活用し、従業員自身が健康で過ごせるための支援をしています。
健康経営事例3:キリンホールディングス 株式会社
酒類を含む飲料品等を幅広く提供する、「キリンホールディングス株式会社」です。
社名 | キリンホールディングス株式会社 |
業種 | 食料品 |
従業員数 | 31,151名(2020年度末) |
健康経営施策の内容 | ・ストレスチェックの実施・集計・分析・フィードバック(グループ企業36社約2万人) ・飲酒習慣のスクリーニングテスト(飲酒習慣を数値化するとともに、ハイリスク者に対してのアルコール摂取の適正化プログラムを計画) |
酒類を提供する企業として、従業員の飲酒習慣に関する健康施策に力を入れています。
健康経営事例4:コニカミノルタ 株式会社
複合機やヘルスケア機器などの開発・製造・販売やソリューション提案などを行う「コニカミノルタ株式会社」です。
社名 | コニカミノルタ株式会社 |
業種 | 電気機器 |
従業員数 | 5,155名(2020年度末) |
健康経営施策の内容 | ・全従業員を対象としたストレスチェックを年2回実施 ・メンタルヘルスなどに関するe-Learningを全管理職に実施 ・喫煙場所の削減 ・喫煙者に対する禁煙サポートプログラムの実施 |
メンタルヘルス不調の予防と、従業員の喫煙率低下を重点課題とし、取り組みを実施しています。
健康経営事例5:SOMPOヘルスサポート
特定保健指導や健康相談、メンタルヘルス対策などのサービスを提供する「SOMPOヘルスサポート株式会社」です。
社名 | SOMPOヘルスサポート株式会社 |
業種 | サービス業 |
従業員数 | 319名(2020年度末) |
健康経営施策の内容 | ・独自の保健指導基準を設け、保健師および産業医による面談を実施 ・従業員の健康リテラシーや生活習慣改善のための動画による情報提供 ・従業員の健康データの一括管理システムの導入 |
自社が提供するヘルスケアサービスと関連する、産業医・保健師と連携した取り組みを多く実施しています。
健康経営事例6:田辺三菱製薬 株式会社
「田辺三菱製薬株式会社」は、大阪府大阪市に本社を置く製薬会社です。
社名 | 田辺三菱製薬株式会社 |
業種 | 医薬品 |
従業員数 | 8,072名(2020年度末) |
健康経営施策の内容 | ・3か年卒煙プログラムと、会社、健康保険組合、労働組合の三位一体での卒煙施策 ・メンタルヘルスに関する社外相談窓口の設置 ・メンタルヘルスに関する社内セミナーやセルフケア情報の提供 |
従業員の喫煙率の低下と、メンタルヘルス不調による疾患の予防・早期対応を重点課題とし、施策を実施しています。
健康経営事例7:凸版印刷 株式会社
「凸版印刷株式会社」は、国内印刷業界2強の一角と称される総合印刷会社です。
社名 | 凸版印刷株式会社 |
業種 | その他製品 |
従業員数 | 10,730名(2020年度末) |
健康経営施策の内容 | ・全国35か所の診療所における看護師と、総務間での安全衛生委員会による情報共有および個別アプローチの実施 ・臨床美術を取り入れたオンラインアートサロンの実施 ・テレワークでもできるラジオ体操レクチャー動画の提供 ・ウォーキングアプリの導入 |
従業員の生活習慣の改善と、生活習慣病の重症化予防の観点から、幅広い施策を実施しています。
健康経営事例8:西川 株式会社
布団などの寝具の製造、加工、販売などで有名な、「西川株式会社」です。
社名 | 西川株式会社 |
業種 | 卸売業 |
従業員数 | 1,432名(2020年度末) |
健康経営施策の内容 | ・インフルエンザ予防接種(任意接種)の促進(自己負担額1,000円) ・継続的な衛生委員会の実施 |
従業員のインフルエンザなどの感染症予防と、喫煙率の低下を重点課題として、取り組みを行っています。
健康経営事例9:日本電信電話株式会社(NTT)
「日本電信電話株式会社」は、通信事業を主体とするNTTグループの持ち株会社です。
社名 | 日本電信電話株式会社(NTTグループ) |
業種 | 情報・通信業 |
従業員数 | 2,876名(2020年度末) |
健康経営施策の内容 | ・自身の変調把握と、ラインケアを促すパルスサーベイの実施 ・歩数計測や体重・血圧・血糖を記録し、毎日の健康課題対策ミッションを提供する独自サービス(取り組みに応じてdポイント付与)の導入 ・30歳以上の社員に対する5年ごとの人間ドッグ実施(会社負担) |
健康情報のデータ化や、自社独自のサービス提供により、生活習慣の改善やメンタルヘルス不調の予防などに取り組んでいます。
健康経営事例10:株式会社 ファンケル
「株式会社ファンケル」は、化粧品や健康食品の製造・販売を行う企業です。
社名 | 株式会社ファンケル |
業種 | 化学 |
従業員数 | 2,642名(2020年度末) |
健康経営施策の内容 | ・在宅勤務などによるビタミンD生成低下対策として、従業員へサプリメントを配布 ・新型コロナウイルスワクチンの職域接種の実施 ・女性特有のからだマネジメントに関するオンラインセミナーの実施 ・婦人科健診・検診の費用補助 |
新型コロナウイルス感染症予防と、女性特有の健康課題の解決に向け、自社のサプリメントやノウハウを生かした対策を実施しています。
健康経営事例11:三菱地所 株式会社
「三菱地所株式会社」は、総合不動産ディベロッパーとして三菱グループの中核をなす企業です。
社名 | 三菱地所株式会社 |
業種 | 不動産業 |
従業員数 | 880名(単体)(2020年度末) |
健康経営施策の内容 | ・人事部からの生活習慣病等の重症化予防プログラムの参加推奨 ・管理職層への不定期のメンタルヘス研修の実施 |
従業員の生活習慣病予防と、メンタルヘルス不調の予防・早期対策を実施し、健康施策を継続できる文化形成を目指しています。
健康経営事例12:株式会社 ローソン
「株式会社ローソン」は、日本を代表するコンビニエンスストアチェーンです。
社名 | 株式会社ローソン |
業種 | 小売業 |
従業員数 | 4,790名(2020年度末) |
健康経営施策の内容 | ・従業員の歩数・睡眠・食事の管理 ・オンラインを活用した運動 ・コミュニケーションの促進 ・オンラインを活用したメンタルヘルス研修の実施 |
従業員だけでなく、加盟店のオーナー、クルーの健康保持・増進を目指して施策を実施しています。
健康経営事例13:ロート製薬 株式会社
「ロート製薬株式会社」は、目薬で有名な医薬品・化粧品・機能性食品等の製造販売会社です。
社名 | ロート製薬株式会社 |
業種 | 医薬品 |
従業員数 | 1,891名(2020年度末) |
健康経営施策の内容 | ・従業員に活動量計を配布し、歩数などを個人・チームで楽しく競うイベントを実施 ・株式会社アシックス独自の健康度総合評価指数から健全年齢を算出し、健康増進をサポート ・脱メタボプログラムの開催 ・食事や運動ミッションと週1回のオンライントレーニングなどの提供 ・社内健康通貨の発行 |
ゲーム性の高いイベントや社内通貨などの独自の取り組みにより、授業員が楽しみながら健康になれる取り組みを複数実施しています。
6つの具体的な健康経営施策
続いて、従業員の健康保持・増進につながる具体的な取り組みを6つご紹介します。
- ストレスチェック
- 定期的な健康診断
- 喫煙者社員への禁煙指導
- 予防接種の実施
- 社員への食事指導
- ヘルシーなケータリングの提供
それぞれ具体的に確認しましょう。
ストレスチェック
ストレスチェックは、定期的に実施する従業員のストレス状況を計測する取り組みです。2015年12月より、従業員50人以上の事業場に対して、年1回以上の実施が義務付けられました。
従業員が自身のメンタル状況を認識して対策すると同時に、検査結果を集団的に分析することで、職場環境の改善につなげることができます。
メンタルヘルスに不調をきたしているは、自分がうつ病などの精神疾患に陥っている認識がないことも少なくありません。実施義務のない50人未満の事業所でも積極的に実施し、メンタルヘルス不調予防に努めてください。
出典:厚生労働省「ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等」
定期的な健康診断
従業員を雇用する企業には、定期的な定期検診が義務付けられています。
健康診断には、一般健康診断と特殊健康診断、じん肺健診、歯科医師による健診の4種類があります。一般健康診断には、従業員を雇用したときの健康診断と、1年に1回以上の定期健康診断などがあります。
実施義務のある健康診断に加えて、人間ドッグやがん検診などの追加検診を会社負担で実施する企業もあります。また、実施後の振り返りを産業保健職の専門家と実施し、個人のヘルスリテラシー向上を目指す事例もあります。
定期的な健康診断を機に、従業員が自身の健康課題に向き合い、意識を高める機会にしてください。
出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう~労働者の健康確保のために~」
喫煙する社員への禁煙指導
従業員の喫煙対策も、健康経営の重要な取り組みの1つです。
喫煙は、脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患、結核などの呼吸器疾患、肺がんや歯周病など、多くの病気を発症するリスクを高めます。また妊娠中の女性の場合、喫煙は本人だけでなく、胎児への健康被害をもたらす重大な問題です。
喫煙する従業員に対する禁煙プログラムを実施し、喫煙習慣を断つための支援を行いましょう。同時に、喫煙しない人が意思に反して煙草の煙害にさらされる「受動喫煙」への対策も必要です。
予防接種の実施
新型コロナウイルス感染症の拡大が企業にもたらした被害は、日本社会に大きなインパクトを与えました。臨時の予防接種だけでなく、継続的な感染症対策が大切です。
特に医療や介護、保育などの業界では、感染症の拡大が事業停止にまで発展する危険性があり、必須の健康経営施策といえます。
新型コロナウイルス感染症だけでなく、インフルエンザの予防接種費用を会社が負担する企業もあります。パンデミック対策として、企業による積極的な予防接種を推進しましょう。
社員への食事指導
食事は、運動や睡眠と同じく、人々の健康に大きな影響を及ぼす重要な要因です。不健康な食事や、昼食の欠食は、体調不良やさまざまな病気を引き起こす原因になります。メタボリックシンドロームなどの生活習慣病予防のためにも、従業員の食環境の改善や食事指導を積極的に行いましょう。
産業保健職による食事指導やセミナーの実施や、健康的な食事に対する費用補助、社食の提供など、企業の実情に合った対策を検討してください。
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